国土交通省が9月に発表した「都道府県地価調査(基準地価)」によると、
地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)だけでなく、地方圏全体で地価が上昇傾向にあることが
明らかになりました。
地方圏のその他の地域でも、全用途平均で32年ぶりにプラス圏に浮上しました。

地価の上昇率においては、住宅地・商業地ともに、全国トップ10に沖縄県が7地点、
北海道が3地点ランクイン。特に沖縄県では恩納村が上昇率29.0%でトップ、残りの6地点は
宮古島が占めています。
この背景には「移住需要の拡大」が挙げられています。
恩納村の地価は1㎡あたり3万1600円で前年比0.1ポイント上昇しています。
この地域は観光スポットの近くに位置し、県外からの移住者が住宅を求める動きが地価を
押し上げています。
全国2位の上昇率を記録したのは宮古島市伊良部で、1㎡あたり1万4500円(26.1%)、
全国4位の宮古島市平良は2万1600円(23.4%)と、それぞれ上昇幅を拡大しています。
これらの地域では、引き続き島外からの住宅取得需要が旺盛で、
市内全体での活発な取引が賃貸需要を押し上げており、地価上昇の一因となっています。
不動産市場の調査によると、宮古島の住宅数は約2万2000戸で、そのうち持ち家が1万1000戸強、
借家が1万戸強となっています。
開発が進む中、賃貸住宅の不足が続いており、家賃相場も急上昇しています。
工事関係者などの賃貸需要もあり、新築供給が進む一方で、家賃の上昇ペースが速く、
宮古島は「不動産バブル」とも言われています。今後、開発が一段落した際に供給過剰となり、
空室が増える懸念も指摘されています。また、開発ブームに頼らず、定住人口の増加を図ることが
宮古島の課題として浮上しています。
北海道では全国上昇率トップ10に3地点が含まれており、千歳市栄町5丁目は
前年比6.2ポイント上昇率が縮小したものの、23.5%の上昇で全国3位、道内1位となりました。
半導体メーカーのラピダス進出による関連企業や従業員向けの住宅需要が背景にあります。
ラピダスは2025年に生産ラインを開始し、2027年から量産体制に入る予定です。
札幌よりも割安な住宅価格や将来の発展に期待する人口が千歳に流入していることが、
地価の押し上げにつながっています。
熊本県菊陽町と同様に、定住人口の増加による不動産需要が長期的に続く見通しです。
このように、宮古島や北海道での不動産バブルは、地方の地価上昇と開発需要の
背景を物語っています。
引用・詳細はこちら「KENBIYA」